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HOW WE ENJOY SPORTS

誘われて友だちとテニスをした。
厳密には友だちというか後輩たちだったが、知っている人、好きな人と打ち合うってこんなに楽しかったんだ、と再認識する時間だった。ラリーはまるでおしゃべりのようで、続かなくたってぜんぜん楽しい。スポーツをする目的はさまざまだと思うが、自分はどうやら人と一緒に身体を動かすのが好きなようだ。巷のスクールで見知らぬメンバーたちと、運動という共通の趣味だけで薄く連帯してああだこうだいいながら上達を目指すのも醍醐味ではある。けれど普段から交流のある仲間とは、その何十倍もおもしろかった。

練習あるのみ、と言い切れるスポーツのシンプルな性格も気に入っている。ストイックさと裏腹でもあるけれど、自分は趣味として身体を動かして楽しみたいだけなので、とにかく続ければある程度できるようになるという側面の方が重要だ。これは茶道を習っていた時にも先生から教わったことだった。難しいことは何もない。とにかく繰り返して体に所作を覚えさせるのだ、するとそのうちスムースに一連の立ち居振る舞いができるようになる、と。作法を重んじる茶道において、まさかそんなフィジカルな鍛錬が肝だと言われて驚いたが、それから稽古がずいぶん気楽になった。実際茶道には、長時間のセッションの中で正座からの立ち上がりなど体幹が必要な動作も多く、スポーティな一面はあると思う。

一方で「再現性」と呼ばれる、どんな状況でも何度でも同じ質のプレーができることを大事にする考え方も、ロジカルで憧れる。プロはこの再現性を突き詰めるために練習を積む。たとえばテニスでサーブを打つときに、トスをあげた瞬間に軸足にもう片足を寄せる動きは再現性が低くなる(1動作分ブレる要素が増える)。なので最近は、呼吸するようにテニスする男フェデラーのように、両足そのままのスタンスで打つタイプの選手も多いそう。練習してみたが習得できていない。

素朴な所感ばかりで恐縮だが、屋外で身体を動かすことはとにかく気持ちいがいい。真夏のナイター、さわやかな秋の夕暮れ、冷たい冬の朝にボールを打っていると、いまこの空、この風をも相手にして一緒に汗を流している、と、軽くスピリチュアライズドされる。

もうすぐスキーの季節到来だ。初心者の自分は、上級者の先輩の背中を追いながら見よう見まねで滑る。派手に転んで雪まみれになっても、パウダースノー舞う中、木々に囲まれて長く静かに滑れた美しい瞬間があった。コロナでしばらく行けなかったけれど、今シーズンこそはまたあのドリーミーな体験をしたい。夢の中では<ジルサンダー+>と<アークテリクス>のコラボスキーウェアを着ている。今年はゴルフも練習し始めた。同じ頃ジャスティンビーバーたちが『ハッピーギルモア』をオマージュしたMVが公開されて、テンションもアップ。差し当たりゴージャスなラウンドはDJキャレドに任せたとして、エイジシュート(18ホールを自分の年齢以下の打数でホールアウトすること)を人生の目標にしている親とする初めてのスポーツは、どんな感じだろう。

Written by Saya Kawada(Town)