タイツでもソックスでもなく、ストッキングを履きたい時がある。2023年の秋、今だ。
初めてかもしれない、ストッキングを冠婚葬祭以外で積極的に履きたいのは。憧れはあった。ダイアナ元妃のような普遍的なロイヤル感もあれば、<MIU MIU>のようなトレンド感もある。とても魅力的なものだ。ただ自分にとって相応しいのかどうかが分からなかった。少し、いや、かなり大人っぽいアイテムに思う。おのれの足がそのデリケートさについていけるのか、自信がない。実際とても丁寧に扱わないとすぐにやぶけてしまうし。儚いのだ。履くんだけど。
そんな躊躇いを少しだけ和らげてくれる一足に出合った。ぱっと見シンプルなストッキングが足首からリブソックスに切り替わっているという、まるで日本人が考えたかのような一石二鳥のおもてなしバイブス。けれども考えたのはフランス人のカリーヌ・ロワトフェルドである。現在の仏VOGUEの1つ前の編集長がエマニュエル・アルト(2010-2021)、さらにその前任がカリーヌ(2001-2010)であり、現在も自身の名前を冠した雑誌やブランドなど色々されているモード界のレジェンドの一人だ。
昨年<ピエールマントゥー>が90周年の記念に彼女とコラボした7足が発売された。昔からずっと、膝丈のペンシルスカートにスモーキーアイがトレードマークの力強いカリーヌが作るカプセルコレクションは、1つ1つのコンセプトも自信に溢れている。たとえばこちらは「100通りの違ったスタイルに適応することができるソックス一体型モデル」だそうだ。100通り…!
カリーヌ氏の気合いまでもをセットで届けてくれるストッキングだと思う。
ステッラ ピエールマントゥー事業部 03-3523-9048
Written by Saya Kawada
Collaged by Naoko Kato