肌寒い日、喫茶店のメニューにホットチョコレートがある。ここは期待できるんじゃないか、と頼む。大体は頭で想像するより薄くてがっかりするのがお決まりで、そんなときはコーヒーにしておけばよかったと思う。それでも美味しいホットチョコレートにまた出会えると信じて、トライ&エラーを続ける。 それはミラノで飲んだベストホットチョコレートのせい。その1杯はアツアツに熱くて、トロトロに濃くて、しっかり甘くて、ひと口ごとにウォっていう感情が押し寄せてきた。 プラダ財団美術館プラダ財団美術館の中にあるBAR LUCEのホットチョコレート。
ウェス・アンダーソンがデザインした夢のような空間も感動の一端を担ったことは間違いない。しかし、「かわいいだけじゃないのよ」と言わんばかりの味の本質に胸がいっぱいになった。ハムチーズサンドも最高の仕上がりときた。 チョコレートとサンドイッチという組み合わせに胸焼けさせてしまったら申し訳ないが、トーストにはバターがジュワジュワに染み込んでいて、美味しかった。 エラーの繰り返しするくらいならミラノに飛んで行きたいところだが、そうも行かない。
これをEVERYONE‘S HOT CHOCOLATE として、連載にしよう。
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Written & Photographed by Naoko Kato (Town)