マーティン・スコセッシ監督のNETFLIXオリジナルドキュメンタリー『Pretend it’s a city』を2、3回見た。不機嫌なフラン・レボウィッツがニューヨークシティについておしゃべりしている。高すぎる家賃から、臭すぎる地下鉄、<ブルックス ブラザーズ>と<ラルフ ローレン>のこと、タバコにヨガマットのダサさまで、早口でシニカルに。インタビュー形式で、まあ小気味よく切り返しながら、手をあちこちへと動かす。その手元のシャツのカフはいつもダブルで、大きな石やゴールドのカフリンクスをつけている。
そのカフやカフリンクスに強く憧れた。まずはヴィンテージの<シャルべ>のダブルカフスシャツをオンラインで見つけて購入。オーバーサイズに恐れはなかったけど、洗っても洗ってもビシッとしたままの襟の硬さにおじさんのシャツとしての威信を感じて怯んだ。さすがにドレスシャツは洗いざらしで、とはいかないのか。レボウィッツ氏はいつもクリーニング上がりのピカピカのシャツとお見受けする。
カフにカフリンクスを通すのは初めての経験で、少しだけ高揚した。ゴールドやシルバーのカフリンクスをアクセサリー感覚で付けるのがシャレてるんだろうけど、まずは<ブルックス ブラザーズ>のノットをゴムで繋いだカジュアルなそれを手に入れた。本来腕まくりは似つかわしくないシャツだけど、このタイプだと出来てしまうのも悪くない。
秋になってジャケットやセーターからドヤッと出すダブルカフを想像してる。それまではラフなカフ遊びが出来ないものかと苦戦中。
と言いつつ、最近は『Red Oaks』を見てるから、すっかり気持ちは80年代のヤングなサマースタイルになっている。