• EVERYONE'S WINE

WINE, LIBRARY AND CYCLING

日本酒一辺倒だった私が、家で飲むワインをわざわざ買いに行くようになったのは、去年の今頃からだ。西の方(と私が勝手に呼ぶのは、おもには東横線沿いのエリア)は、ワイン屋さんも豊富で選び放題とよく聞いていた。けれど東の方にいる私に、それらのお店は縁遠く、よって古き良き酒屋にて日本酒を一升瓶で買い、ちびちびやるばかりだった。

さすがに日本酒にも飽きて調べてみたところ、虎ノ門にワイン屋さん「カーヴ・ド・リラックス本店」があると知った。場所も、よく本を借りる日比谷文化図書館からすごく近い。お店はとても広くて、1000円前後のものからお高いヴィンテージワインまで幅広く置いてある。扱う数が多いからか説明はだいぶあっさりしているので、ワインど素人の私には味の予想がつかない。だからほぼ予算とエチケットのデザインだけを頼りに選ぶ。あとは、盲目的にオーストリアを攻めている。なぜかというと、かつて行った旅で一番良かった都市がウィーンだから。加えて、ボトルや味も無骨で好きだなと思うものが多い。

自転車で皇居沿いをぐるりと走る。道も広いし平坦で、とても気持ちが良い。図書館に寄って、自分で買うには少々高い思想書とか専門書を借りる。その後、このワイン屋さんに寄って、2本だけ買う。たまに道沿いのパレスホテルの地下にある「スイーツ&デリ」に寄るが、目当てのコーンブレッドはだいたい売り切れている。ある時からぱったり買えなくなってしまった。パン好きの熱意はすごい。

通って半年経ったくらいに、このお店が通販にも力を入れていることを知り、「ペログビセット」という大変お得なセットを買ってみた。送料無料だし、新たな発見もあった。それでも、皇居沿いのサイクリングと図書館とこのワイン屋さんという一連の行程がどうにも贅沢に感じられて、やっぱり2本ずつお店で買う方がいいなと思っている。

Written & Photographed by Satoko Shibahara / Editor, Writer