青山に「Found MUJI」という店がある。僕はそこが好きで、よく、覗きに行く。
そこは、毎回、なんらかのテーマでセレクトされたアイテムが並び、月ごとなのか、なんなのか、全くわからないが、いつもすごく楽しいラインナップで、僕をワクワクさせてくれる。
ご存知の方もいるかと思うが、ここは<無印良品>の関連ショップ。一部、同じ商品もあるようだが、ほとんどのアイテムは、ここでしか販売されていない。大抵のものはアジアの他の国々や日本国内から仕入れた商品で構成されている。業務用梱包資材として使われてきた糸入り紙。2枚の紙の間に樹脂の糸を菱目状に入れている。引越し袋や反物の包みとして使われている。
ここ最近、販売しているのは、紙でできたアイテムたち。丹波の菱目糸入り紙袋や同素材のブックカバー、クリアファイル(的なもの。クリアではない。)、美濃和紙の紙糸とコットンでできたハンカチ、浴衣など。色々あって、全部欲しくなる。とりあえず今日は、クリアファイル、ブックカバー、ハンカチ、オーガニックコットンの残布で作られたマスク、そして前々から気になっていた、ここが再編集してリリースしている文庫本を購入した。たくさんの物を抱えてレジで会計をしていると、ハンガーにディスプレイされている、リネンのようなサコッシュを発見。「あーこれも欲しかったんだ」って思い出して手に取ると店員さんが、「それは青山店限定です」とのこと。限定じゃなくても、十分素敵。よく見たら植物繊維でできているそうだ。よくあるそれと比べて、あまりスポーティーさが感じられない、文系なルックスが、染みた。ベトナムのモン族の間で古くから使われているという、植物繊維を表地に、オーガニックコットンを裏地に使用。
Tシャツワンピースは、ずいぶん前に僕が企画したもの。コロナが始まり、発売時期を逃したまま暑くなってきてしまって放置されていたアイテム。僕は女性のワンピースというアイテムに強く惹かれる。着て欲しいという意味でもなく、自分が着たいという意味でもない。単純にアイテムとして羨ましいのだ。男の服は、上と下が別々だし、それが繋がっている服はやたら嵩張るからだ。薄くて軽くて畳んだら小さくなる服。旅にも便利だし、家に置くときにも場所をとらない女性のワンピースというプロダクトの機能性に憧れるのだ。メンズのTシャツがただ長いだけの状態だったら、単純でいいなと思って、女性用に企画した。
少しだけ肉厚な生地でできていて、これ一枚で出かけられる。ちょっと透けるかなと心配していると、「それは大丈夫だけど、ポケットが付いていない」。と、AWWの編集、加藤直子さん。たしかに、ポケットのない服は手のやり場に困る。それは男も女も同じなようだ。でも、カットソー工場の技術的に、難しいそうだ。
この子、ティアが手に持っている大きな方のバッグは、『AWWマガジン』のオリジナル。アリモノのバッグにプリントを入れただけかと思いきや、編集の加藤さんがいつも使ってる、クタクタの『THE NEW YORKER』のヴィンテージのトートバッグをベースに、似た雰囲気でゼロから作った完全オリジナル。スーパーへの買い物から、出勤時やヨガに行くときまで、いろいろ使えそうなちょうどいい大きさだ。
マスクはオーガニックコットンの残布に、抗菌加工を施したもの。洋服生地を生かしたマスクは、もはや定着しつつある。繰り返し洗って使えるのはとても便利だ。その中でもさらに高機能で便利。
Found MUJI 青山 03-3407-4666
無印良品 銀座 03-3538-1311
久米繊維工業 03-3625-4188
Styled & Written by Akio Hasegawa
Photographed by Seishi Shirakawa
Hair & Make-up by Kenichi Yaguchi
Model: Tya