• A ROOM OF ONE’S OWN

ETC.BOOKS BOOKSHOP

新代田駅からすぐのところにフェミニストのための本屋ができたので、羽根木にある息子の保育園のお迎えの前に寄ってみることにした。

新刊も古本も全てがフェミニズム関連の本で、棚に並んだタイトルを追いかけているだけでも知的好奇心がむくむくとふくらんでくる。エトセトラブックスはフェミニズムにまつわる本の出版社で、『エトセトラ』という雑誌も発刊している。毎回編集長が変わるので色んな角度からフェミニズムを考えることができて面白い。

父も母も仕事を持ち共に家事をするのが当たり前の家に育ったので、男女の不平等についてむしろ無知であった私も、社会に放たれ、結婚、出産をし、女ゆえの不平等を身をもって経験することになる。

遠い日の記憶。当時再放送されていた「ひょっこりひょうたん島」というミュージカル人形劇を小学生の私は好んで見ていた。その中でサンデー先生という女の先生が登場する。美しく凛としたサンデー先生はいつも正しく真っ直ぐに子どもたちを導く存在だと子ども心に認識していたはずだ。

子どもたちが大人たちに抗議するシーンがあって、

「勉強なさい、大人は子どもに命令するよ、えらくなるために、お金持ちになるために、あーそんなの聞き飽きた」

そんなふうに歌う子どもたちにサンデー先生はこう答える。

「いいえ、賢くなるためよ、男らしい男、女らしい女、人間らしい人間、そうよ人間になるために、さあ勉強なさい」

サンデー先生がそう言うならそうなのか、とぼんやり思っていたところに父と母が、男らしい男、女らしい女って言い方は違うと思うな、と話しはじめた。男らしいってなんだと思う?女らしいとは?両親にそう問われ、自分の小さな世界がひび割れて向こう側に広がる大きな何かにつながっているような感覚になった。

30年ほど前のこの問いかけは今もまだこの社会の課題としてあって、エトセトラブックス BOOKSHOPの古本たちを見てもフェミニズムの歴史の長さとなかなか埋まらないジェンダーギャップについて考えずにはいられない。たくさんの学びが本棚につまった小さな本屋にきっとこれからも通うだろう。

勉強する理由というのは、今いる自分の世界にひびを入れることなのかもしれないなあ、とサンデー先生やひょうたん島の子供たちを思いながら踏切が開くのを待った。

 

 

エトセトラブックス BOOKSHOP
東京都世田谷区代田4−10−18ダイタビル1F
木・金・土 12-20時
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東京で仕事をしているスタイリストのYuriko Eにとって、クルマは特別な空間、自分だけの部屋。運転席から綴る、その日の相棒の話。

Written & Photographed by Yuriko E