はじめて訪ねたのは雑誌のリースだった。

外苑前のグランピエという雑貨屋さんの入るビルの上階に＜PHOTOCOPIEU（フォトコピュー）＞のアトリエはある。ラックにかかった服たちは繊細なシルクを使っているのが印象的で、間合いを持った色の出し方や、着たらどんなふうになるだろうと好奇心がふくらむ立体感を持っていた。

その時は春夏の服を借りに行ったのだけれど、秋冬のサンプルも見ることができて、ツィードのショートコートを羽織らせてもらった。少し低い位置についた袖は前にふれて肩を美しく見せたし、共地のベルトでウエストを絞れば色気もあった。凛々しく、しなやかな女の服。ああ、こんな服を待っていた、と思った。その後取り扱いがあると聞いた伊勢丹に行ってワンピースも試着してみた。

華奢なのに豊かなシルエット、細かいステッチや小さな金の釦、フィッティングルームで小躍りしてしまうほど、鏡の中の私は意志のある服にすっかり魅せられてしまって、＜PHOTOCOPIEU＞特集がやりたい！と妄想していたところにAWW magazineからの嬉しい誘いがあり、すぐに提案してみたらこうして実現することができた。

ありがとう＜PHOTOCOPIEU＞！