通り雨が降った夜、行きたいとも行きたくないとも思わないまま、流れで東京タワーを上から見下ろすバーにいた。こんなところには意思を持って来るような気がするが、そんなこともあるのが夏。バーも高層階も不慣れだが、ピカピカのホテルはいい匂いがして、それにお盆だからかずいぶん空いていて、居心地が良かった。不慣れを重ね、カクテルを飲む。
ジンのせいかエアコンのせいか、翌日ずっと怠い。そのまま8月は後半になった。どれだけ暑さがぶり返すと言われても、後半となれば夏が終わる気配がしてくる。季節を進めるべく、ブラウンを始める。

ベージュのラルフローレンシャツは何枚あってもいい。厚手とか薄手とかサイズ感とか事情は様々。残りの夏は長袖を腕まくりして対応。

ベージュにブラウンを合われば次の季節。まだ暑いのでソックスあたりで気配に折り合いをつける。

Photographed by Katsuhide Morimoto
Written by Naoko Kato(Town)