超初心者の私が、超初心者らしく頼りにしている信濃屋のワインコーナー。スタッフのおすすめコメントを吟味しながら、今日はこれ!と納豆とか人参とかが入ったカゴにその日のワインを共に。値段は2,000円以内。そんな生活感溢れる適当な向き合い方なのに、不思議と失敗は少ない。だから、信濃屋にはきっとスーパーバイヤーがいるんだと勝手に信じ切っている。
いま一番気に入っているのは「ZARDETTO」というイタリアのワイナリーの<リゾーロ フリッツァンテ セッコ>(いつもラベルを見て買っているので、名前は初めて意識しました)。「フリッツァンテ」というのは、イタリアの微発泡ワインのことだそう。スパークリングほどの強いガスではないので、お腹いっぱいになることもない。辛口で、爽やかな酸は、魚と野菜が多めの我が家の食卓にも良く合う。最初に買ったのは去年の春の自粛期間。キリッとした優しいシュワシュワが、曖昧になっていた自分の輪郭をそっと整えてくれるようで嬉しかった。すぐに数本まとめ買いしたのだけど、気づいた頃には売り切れていてがっかり。
そこから慌ただしい日常に戻っていくにつれ存在を忘れていたのに、秋頃にまた店頭でしあわせな再会を果たした。このワイン、生産量のほとんどは地元消費らしくて国外に出回る数が少ないとのこと。少しでも多く長く我が家にいておくれ、と信濃屋に行くたびにせっせと買い足しストックしている。
Written & Photographed by Kanako Uchida