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Sud-Sud-Ouest

久しぶりにテニスをした。

というのも、父親が1989年に始めたテニスウェアブランドがこの前リスタートしたから。
アンドレ・アガシの派手なウェアが大流行りしていた当時。コーチとして毎日コートに立っていた父は「アガシはいいけれど自分は似合わない。そもそも色鮮やかなテニスコートにはシンプルな服が似合う」という考えからネイビーとホワイトをベースにしたテニスウェアブランドSud-Sud-Ouest(スドゥ・スドゥ・ウエスト)を始めた。

そして、2020年。2歳になる孫にシンプルなテニスウェアを着せたいとアーカイブを引っ張り出してきた流れでやんわりと復活。

これは当時のスタッフたちが定番アイテムを着て撮影した集合写真。リスタートのタイミングでは左側の2人が着ているスウェットをほぼそのまま復刻した。

それで、久しぶりにテニスをしてきた。最近はゆるくなってきたけれど「白のポロシャツを」という規則がテニス界には結構残っている。だから、テニスをやっていると白いポロシャツを着る機会が普通の人より異常に多い。子供の頃はそれが嫌でニック・キリオスみたいにバスケのジャージでテニスをしていたりしたけれど、久しぶりにコートで白いポロシャツを着ると妙に落ち着いた。テニスコートでのポロシャツは、柔道家の帯、受験生のハチマキのようなものなのかもしれない。

1970年代、アメリカにテニス留学をしていた父(写真左)。大学のスター選手たちがウォーミングアップの際にポロシャツの上からカレッジスウェットを着ているのを見て「かっこいい」と思ったのがテニスウェア作りの原点。例えば、UCLAのアーサー・アッシュやジミー・コナーズ、スタンフォードのジョン・マッケンロー、USCのスタン・スミスなど。

左に立っているのが父・宮本恵造。高校卒業後、1972~77年までアメリカにテニス留学をしていた。帰国後、コーチをしながら雑誌などを通してアメリカで見てきた最先端のテクニック(主に攻撃的なトップスピン)やカルチャーを広めていた。ちなみに今もテニスのコーチをしている。こんなにテニスが好きな人はなかなか見たことがない。

ブランド名のSud-Sud-Ouestはフランス語で南南西という意味。フランスでは流行やお洒落に気をつかうスポーツマンを「Sportif dans le vent(風の中のスポーツマン)」と呼ぶらしく、風を意識した名前に。略してS2O(エスツーオー)。スウェットシャツ¥8,800、スウェットパンツ¥7,700(税込)ウェブサイトで販売中。

ニューボールを買うのならアメリカ製のPennがおすすめ。安いし、パコーンとよく飛ぶので気持ちがいい。ラケットはベルギー生まれのスノワート。ロッド・レーバー、ビタス・ゲルライティス、ナブラチロワ、マッケンローなどが愛用していた名門ブランドだけど、意外と知られていないし、デザインがクラシックで気に入っている。
173cm、スウェットシャツLサイズ、スウェットパンツXLサイズ着用。

Written by Ken Miyamoto
Photographed by Naoto Date